基本情報技術者試験は2027年度からどう変わるか|科目A・科目Bの改定案を原文で確認

基本情報技術者試験

2027年度 新制度(案)IPA 2026-04-28 更新版に準拠最終更新 2026-09-23

基本情報技術者試験は,2027年度から新しい制度に移る予定です。ただし試験そのものは継続で、試験時間・出題数・科目A免除は変わらない見込みです。このページでは、IPAが公表した資料だけを使って、何が公表されていて、何がまだ公表されていないかを整理します。科目Bは、現行の試験要綱と改定案を1行ずつ、原文のまま突き合わせました。

読む前に

IPAは「公表内容は現時点での検討状況であり、今後、変更が生じる場合があります」と明記しています。改定案のPDFにも「本資料の内容は公表時点の検討状況に基づくものであり,変更する可能性があります。」とあります。確定した制度ではなく案として読んでください。新しい情報が出たら更新します。

IPAが公表していること

基本情報はどうなる 継続(新制度の8区分にも残る)
いつから 2027年度 春頃から移行する予定。ITパスポート・情報セキュリティマネジメントも同じ時期
現行制度はいつまで 2026年度の試験実施をもって終了する予定
試験時間・出題数 科目A 90分・60問/科目B 100分・20問の予定(現行と同じ)
実施方式・回数 全区分をCBT方式で実施予定。基本情報はこれまでと同様に通年で実施する予定
科目A免除 変更を予定していない

変更の中身として挙げられているのは、基本情報については次の2つです。

基本情報技術者試験の「一部変更」

科目Aの出題範囲体系の変更

科目Bの出題範囲の一部変更

この2つには、IPAが注釈を付けています。

出典:情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について(2026年3月31日公開・2026年4月28日更新)

技術動向や環境変化等を踏まえて表記の変更等を行うもので、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。

科目B ── 原文を1行ずつ比べる

科目Bの出題範囲は、現行が試験要綱 Ver5.6、新制度の案が改定案 Ver1.0に載っています。5つの項目の見出しと順序は同じで、語句が動いたのは項目1と項目5の中だけです。項目2・3・4は語句が変わっておらず、違いは箇条書きの区切り方だけです。

項目 現行(試験要綱 Ver5.6) 改定案(Ver1.0)
1 プログラミング全般に関すること 実装するプログラムの要求仕様(入出力,処理,データ構造,アルゴリズムほか)の把握,使用するプログラム言語の仕様に基づくプログラムの実装,既存のプログラムの解読及び変更,処理の流れや変数の変化の想定,プログラムのテスト,処理の誤りの特定(デバッグ)及び修正方法の検討 など
注記 プログラム言語について,基本情報技術者試験では擬似言語を扱う。
実装するプログラムへの要求事項の把握/プログラムの詳細設計(入出力,処理,データ構造,アルゴリズムほか)/使用するプログラム言語の仕様に基づくプログラムの実装/既存のプログラムの解読及び変更,処理の流れや変数の変化の追跡/プログラムのテスト/プログラムのデバッグ(誤りの特定及び修正) など
注記 プログラム言語について,擬似言語を扱う。
2 プログラムの処理の基本要素に関すること 型,変数,配列,代入,算術演算,比較演算,論理演算,選択処理,繰返し処理,手続・関数の呼出し など 語句は同じ(改定案は4行の箇条書きに分かれている)
3 データ構造及びアルゴリズムに関すること 再帰,スタック,キュー,木構造,グラフ,連結リスト,整列,文字列処理 など 語句は同じ(改定案は2行の箇条書きに分かれている)
4 プログラミングの諸分野への適用に関すること 数理・データサイエンス・AI などの分野を題材としたプログラム など 語句も同じ
5 情報セキュリティの確保に関すること 情報セキュリティ要求事項の提示(物理的管理策,技術的管理策及び組織的管理策),マルウェアからの保護,バックアップ,ログ取得及び監視,情報の転送における情報セキュリティの維持,脆弱性管理,利用者アクセスの管理,運用状況の点検 など 情報セキュリティ要求事項の提示(物理的,技術的な管理策ほか)/以降は現行と同じ

動いた箇所は次のとおりです。

項目1で動いたところ

「実装するプログラムの要求仕様の把握」が「実装するプログラムへの要求事項の把握」になり、括弧の中身が引っ越した。現行は(入出力,処理,データ構造,アルゴリズムほか)が要求仕様に付いていましたが、改定案ではこの括弧が新しい行のプログラムの詳細設計に付きます。

「詳細設計」という語が入った。現行に設計という語はありません。把握と実装のあいだに1行増えた形です。

「変数の変化の想定」が「追跡」になった。

「処理の誤りの特定(デバッグ)及び修正方法の検討」が「プログラムのデバッグ(誤りの特定及び修正)」になった。「修正方法の検討」が「修正」に短くなっています。

注記から「基本情報技術者試験では」が消えた。擬似言語を扱うこと自体は変わりません(改定案は試験区分ごとに節が分かれているためと読めます)。

項目5で動いたところ

管理策の書き方が変わった。現行は「物理的管理策,技術的管理策及び組織的管理策」と3つを名指ししていましたが、改定案は「物理的,技術的な管理策ほか」で、組織的管理策は名指しから「ほか」に吸収されています。後半(マルウェアからの保護、バックアップ、ログ取得及び監視…)は1字も変わりません。

つまり擬似言語は続き、データ構造とアルゴリズムの並び(再帰・スタック・キュー・木構造・グラフ・連結リスト・整列・文字列処理)も、数理・データサイエンス・AI を題材にすることも、そのままです。IPAの注釈にある「表記の変更」が、科目Bでは具体的にこの形になっています。

科目A ── 分類の並べ替えと、新しい中分類

科目Aは「出題範囲体系の変更」です。改定案では、出題範囲が3つの分野(ビジネス/テクノロジ/セキュリティ・倫理)と30の中分類に整理されています。基本情報が対象とされているのは、このうち29の中分類です(対象外は「マインド・スタンス」だけ)。

基本情報の重点分野(改定案で ◎ が付く3つ)

20 システムライフサイクルプロセス

21 開発・運用の方法論

22 アルゴリズム・プログラミング

いまの分類がどこへ行くかは、新旧対応表で示されています。例を挙げます。

現行の中分類 新しい中分類
技術戦略マネジメント(全ての内容) 1 ビジネス変革の方法論
システム監査(全ての内容) 12 ガバナンス・監査
基礎理論のうち「情報に関する理論」の〈AIに関する技術〉 18 AI技術
基礎理論のうち「応用数学」の〈確率と統計〉/企業活動のうち「業務分析・データ利活用」 9 データ分析・データ利活用
(現行試験において該当する分類なし) 8 データマネジメント

ここで注意したいのが、いちばん下の行です。「データマネジメント」は、現行に対応する分類が無い新設の中分類です。また、改定案に載っている知識項目の例には、現行の試験要綱には無い語が並びます(AIエージェント、RAG、MCP、AI駆動開発、データカタログ、仮名加工情報 など)。

IPAの注釈は「試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません」です。一方で、改定案の知識項目の例には上のような新しい語も入っています。分類の名前と置き場所が変わるのが主で、細かな語は技術動向に合わせて入れ替わる、と読むのが妥当だと考えています(これは当サイトの読み方です)。

まだ公表されていないこと

IPAは「新試験のシラバス案や各分野のサンプル問題は、公開準備が整ったものから順次IPAウェブページに掲載し、2026年度夏頃を目途に一通り公表する予定」としています(2026年4月28日時点の記述)。本稿の更新時点(2026年9月23日)では、基本情報の新しいシラバス案とサンプル問題は当サイトでは確認できていません。したがって、次の点はまだ分かりません。

科目Bの新しいサンプル問題(擬似言語の書き方が変わるかどうかを含む)

合格基準や採点方式(現行はIRTで、科目A・科目Bそれぞれが1,000点満点・基準点600点)が引き継がれるか

「詳細設計」が入ったことで、出題の形が変わるかどうか

受験する人はどうすればよいか

  1. 2026年度中に受けるなら、現行制度のまま。
    現行制度は2026年度の実施をもって終了する予定です。いまの対策をそのまま続けてください。
  2. 2027年度以降に受けるとしても、科目Bのやることは変わらない見込み。
    上のとおり、科目Bの範囲は項目1と項目5の文言が動いただけで、擬似言語も続きます。擬似言語を1行ずつ読めるようにし、定番処理の型を知り、公開問題で練習するという順番は、新制度でもそのまま通用します。
  3. 科目Aは、分類の並べ替えと新しい語に注意しておく。
    範囲そのものは変わらないとされていますが、新しい中分類(データマネジメントなど)と、新しい知識項目の例があります。シラバス案が出たら中身を確かめます。
  4. 次に見るのは、シラバス案とサンプル問題。
    公開され次第、このページと各記事を更新します。

この記事で引用した資料

いずれも独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表したものです。IPAは公表済みの試験問題について、教育目的での使用に許諾および使用料を不要としていますが、著作権は放棄していません。本記事では問題文を改変せずに引用しています。

本記事の新旧の対照表は、IPAが公表した改定案と現行の試験要綱を当サイトが突き合わせて作ったものです。

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