PD-S(システム)試験(仮称)科目B(技能)の第1章は「システムアーキテクチャに関すること」。ビジネス要件からシステム要件を定義し、それを実現する土台(アーキテクチャ)を設計するという、システム構築の最上流を扱う章です。小項目は1-1〜1-5の5つ。この記事では、各項目の意味・なぜ問われるのか・具体例・混同しやすい点を、公式シラバス案だけを根拠に教科書的に整理します。旧システムアーキテクト試験の中核テーマにあたる部分です。
この章の全体像(小項目 1-1〜1-5)
→ 教科書記事で深く学ぶ(技能の例7つを全展開)
→ 教科書記事で深く学ぶ(要求の収集・調整からDFD・ER図まで)
→ 教科書記事で深く学ぶ(5カテゴリと稼働率の読み方)
→ 教科書記事で深く学ぶ(IaaS/PaaS/SaaS・リフト&シフトまで)
→ 教科書記事で深く学ぶ(HW/SW分割・フェールセーフ・法令と知財)
1-1. 業務要件定義とシステム化計画
シラバス案では、組織のデジタル戦略を踏まえて業務上のニーズ・問題点を把握し、システムで実現すべき業務課題を定義するスキルが求められます。さらに、業務と組織をモデル化して整合性のとれた業務機能を取りまとめ、システム方式(アーキテクチャ)や、移行・他システム連携・運用保守の基本方針を策定するところまでが範囲です。
具体例:「紙の受発注をなくしたい」という現場の声(ニーズ)を、「受発注データを一元管理し、承認フローを電子化する」という業務課題に翻訳し、そのためのシステム全体像と移行方針を描く、といった流れです。
1-2. 機能要件の定義(データ構造の設計を含む)
シラバス案では、関係者から要求を収集・整理してシステム要件として定義し、矛盾する要求を調整して総合的に取りまとめるスキルが挙げられています。ポイントは、機能要件の定義にデータ構造(業務モデル・データモデル)の設計を含むと明記されていること。「どんなデータを、どういう関係で持つか」を決めることが、機能設計と一体で問われます。
1-3. 非機能要件の定義(性能・品質・セキュリティなど)
機能要件が「何をするか」なら、非機能要件は「どれくらいの速さ・安定性・安全性で実現するか」。シラバス案では、性能要件・品質要件・セキュリティ要件・運用保守要件・移行要件などを明確化・定義するスキルが求められます。機能はそろっていても、遅い・落ちる・危ないシステムは使えません。
混同注意:機能要件 と 非機能要件
1-4. クラウド・マイクロサービス・仮想化を考慮したアーキテクチャ設計
シラバス案では、最新のクラウド技術動向を把握し、モダナイゼーション(近代化)やマイグレーション(移行)を提案するスキル、オンプレミスのクラウドリフト・クラウドシフトをステークホルダに説明して合意を得るスキルまで求められます。単に「クラウドを使える」ではなく、既存システムをどう新しくするかを提案し、合意形成するところまでが範囲です。
おさえたい新語
1-5. 組込み・制御システムのアーキテクチャ設計
旧エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)の中核にあたる領域です。組込みでは、ある機能をハードで実現するかソフトで実現するかで、コスト・性能・消費電力・安全性が変わります。このトレードオフの判断、そしてデバイス・モジュール・OS・ミドルウェアの評価・選定、関連法令・知的財産権の調査までが範囲に含まれます。
確認クイズ
この章の理解度チェックです(当サイト独自の予想問題。公式の出題ではありません)。
次の要件のうち、非機能要件に分類されるものとして最も適切なものはどれか。
まとめ:第1章のポイント
- 1-1:戦略→業務課題→システム要件へ翻訳し、アーキテクチャと基本方針まで描く(最上流)。
- 1-2:機能要件=「何をするか」。矛盾する要求の調整、データ構造の設計を含む。
- 1-3:非機能要件=「どれだけうまく動くか」(性能・品質・セキュリティ等)。機能との仕分けが頻出。
- 1-4:クラウド/マイクロサービス/仮想化を活用し、モダナイゼーション・移行を提案・合意形成する。
- 1-5:組込み・制御はHW/SWトレードオフとセーフティ・高信頼性、法令まで考慮して設計する。
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出典(一次情報)
- IPA「PD(システム)試験 科目B シラバス(案 Ver0.2)」大項目1「システムアーキテクチャに関すること」(2026年7月31日更新)[link]
- IPA「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 出題範囲等の改定案 Ver.1.0」(2026年3月)
※試験名は仮称、内容は検討段階の案です。解説・予想問題は当サイト独自のもので、公式見解ではありません。正式シラバス公開時に内容を更新します。

