擬似言語のデータ型|整数型・実数型・文字型・文字列型・論理型の読み分け【基本情報技術者試験 科目B】

現行FE シラバス Ver9.2 準拠第1部 擬似言語の教科書 G2-2最終更新 2026-08-21

宣言のいちばん左に書いてある 整数型 のところ ── これがデータ型です。その箱に何を入れるかを表しています。

擬似言語の記述形式で使われる型は5つ。これに、その問題のためだけに定義される型が加わることがあります。それぞれの箱に実際どんな値が入るのかを、実際の出題の宣言とあわせて見ていきます。

データ型 ── その箱に、何を入れるか

ここまで 整数型 と書いてきた部分を、まだ説明していませんでした。

変数は「値を入れておく箱」でした。その箱には、あらかじめ入れるものの種類が決められています。この種類のことをデータ型、短く型といいます。宣言のいちばん左に書いてあるものがそれです。

なぜ、入れるものの種類を先に決めるのか

人間なら「3 + 三」を見せられても 6 と答えられます。漢数字の「三」も数だと分かるからです。コンピュータには、これができません。

次の2行を見てください。

整数型: a ← 1
文字列型: b ← "1"

どちらの箱にも、見た目は 1 が入っています。しかし a に入っているのは数の 1、b に入っているのは「1」という形の文字です。

a 整数型数として扱われる

b 文字列型文字として扱われる。数ではない

コンピュータは、書かれた 1 を見ただけではどちらのつもりなのかを判断できません。だから箱を用意する時点で、入れるものの種類を宣言します。

変数を名前のラベルを貼った箱にたとえた図。整数型に18、実数型に82.5、文字型に"a"、文字列型に"10010"、論理型にtrue。型ごとに箱の形が違う

型がちがえば、箱の形がちがう。入れられるものが最初から決まっている

擬似言語で使われる型は、整数型・実数型・文字型・文字列型・論理型の5つです。ひとつずつ見ていきます。

整数型 ── 小数点以下を持たない数

いちばんよく出てくる型です。0、1、18、-1 のような、小数点以下を持たない数を入れます。

整数型: ninzu ← 18

実際の出題では、こう書かれています。

本物もこう書かれる

(令和6年度 基本情報技術者試験 科目B 公開問題 問2)

  整数型: i, length, result ← 0

この1行に、ここまでの書き方が2つとも入っています。コンマでまとめて3つの箱を用意し、いちばん右の result にだけ 0 を入れています。

整数どうしの割り算だけ、書き方が特別

擬似言語では、整数どうしの割り算を ÷ の商、÷ の余り と日本語で書き分けます。計算の書き方は G8 で扱います。

実数型 ── 小数を含む数

平均や割合のように、小数点以下が出る数を入れる箱です。

実数型: heikin ← 82.5
本物もこう書かれる

(令和6年度 基本情報技術者試験 科目B 公開問題 問5)

  実数型: valueL, maxL ← -∞

-∞(マイナス無限大)も、実数型の箱に入れられる値です。

文字型と文字列型 ── 1文字か、並びか

この2つは名前が似ていますが、1つの箱に何が入るかが違います。

文字型: c ← "a"
文字列型: s ← "10010"

c 文字型1つの箱に1文字だけ

s 文字列型1つの箱に文字の並びが丸ごと(この例では5文字)

値の見た目では区別できない

文字型: c ← "a" と 文字列型: s ← "a" は、入っている値の書き方がまったく同じです。どちらも二重引用符でくくった1文字にしか見えません。

どちらであるかは宣言にしか書かれていません。コロンの前を見て確かめます。

文字型は、1文字ずつ並べて扱うために 文字型の配列 の形で出てくることが多い型です。その扱いは G4 で扱います。

論理型 ── 成り立つか、成り立たないか

入る値は true(真)と false(偽)の2つだけです。他の値は入りません。

論理型: flag ← true

「条件が成り立ったかどうか」を表す型で、いま成り立っているかを覚えておくために使われます。条件そのものの書き方は G5 で扱います。

本物もこう書かれる

(令和5年度 基本情報技術者試験 科目B 公開問題 問1)

  論理型: divideFlag

矢印が無いので、この時点では未定義です。名前が Flag(旗)で終わっているのは、この箱が「成り立ったかどうか」を覚えておくためのものだと分かるようにするためです。旗を上げる(true)、下ろす(false)というたとえから来ています。

次の4つの宣言のうち、入れている値が型と合っていないものはどれですか。

整数型: a ← 7
実数型: b ← 0.5
文字型: c ← "ab"
論理型: d ← true

問題文で定義される型

使える型が記述形式に列挙されているわけではありません。その問題のためだけの型が、問題文で定義されることがあります。

出典:令和8年度 基本情報技術者試験 科目B 公開問題 問2(問題文とプログラムの一部)

関数complement は,引数として渡された8 ビット型の値x について,x に加算すると00000000 になる値を返す。

  8ビット型: y

この引用で見てほしいのは、「8ビット型」という型が、問題文の日本語で説明されているという1点だけです(「関数」「引数」という言い方は G3 で扱います)。

8ビット型 は記述形式にもシラバスにも出てきません。それでも読み方は変わりません。コロンの前が型、うしろが名前です。

見慣れない型が出てきたときは、問題文に戻れば定義が書かれています。そこを読めば必ず解けるようになっています。

ある問題文に「日付型」というクラスの説明がありました。日付型 は、擬似言語に最初から用意されている5つの型ではありません。
そのプログラムに次の行があります。この行は何をしていますか。

  日付型: kijitsu

データ型のまとめ

型 1つの箱に入る値 宣言の例
整数型 小数点以下を持たない数
0 1 18 -1
整数型: ninzu ← 18
実数型 小数を含む数、-∞ 実数型: heikin ← 82.5
文字型 1文字
"a"
文字型: c ← "a"
文字列型 文字の並び
"10010"
文字列型: s ← "10010"
論理型 true と false の2つだけ 論理型: flag ← true

型そのものを選ばせる問題は出題されません。宣言は問題文に書かれているので、読むときに確かめるのは「コロンの前に何と書いてあるか」だけです。

つまずきポイントまとめ

まちがえ方 正しい理解
値の見た目で文字型と文字列型を見分けようとする どちらも "a" に見える。宣言のコロンの前でしか決まらない
"10" を数だと思う 引用符でくくられていれば文字。計算に使うには変換が要る
論理型の宣言直後を false だと思う 矢印が無ければ未定義。false は「値が入っている」状態
見たことのない型が出て手が止まる 問題文に定義が書いてある(例:8ビット型)

この記事で引用した資料

いずれも独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表したものです。IPAは公表済みの試験問題について、教育目的での使用に許諾および使用料を不要としていますが、著作権は放棄していません。本記事では問題文を改変せずに引用しています。

型の説明に使った短い宣言(a/b/c/s/flag/heikin/ninzu)は当サイトのオリジナルです。実際の出題からは宣言の1行だけを引用しています。

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